当社におけるDX推進に向けた戦略及びその推進状況については、経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」にもとづき、当社Webサイト上で「当社におけるDX戦略の推進について」として、タイムリーに情報発信及び更新していきます。
はじめに
インターネット利用者やスマートフォンの保有者が激増する中で、多くの企業が広告の軸足を従来のマス媒体からWebへとシフトしてきています。しかし、Web上の広告においても膨大な費用がかかる上に、Webサイトでの情報発信やソーシャルメディアの活用、見込客へのレコメンデーションなど高いデジタルマーケティングスキルが要求されるため、デジタル人材が少ない中小企業ユーザにとっては敷居が高い状況にとなっています。
そこで当社では、顧客ニーズの多様化や営業のデジタル化にうまく対応できずに苦しむ中小企業が増える中で、低額で利用できるデジタルマーケティングの代行サービスを提供してきました。具体的には、Webサイトでのトピック発信による「話題づくり」とソーシャルメディアによる「口コミ」、マーケティングオートメーションによる「見込客育成」といった総合的なデジタルマーケティング・プラットフォームを開発・運用し、低額利用できるサービスを提供しており、今後、さらなる機能強化やサービス向上を図っていく計画です。
1.ビジョン・ビジネスモデル
経営ビジョン
顧客ニーズの多様化や営業のデジタル化にうまく対応できずに苦しむ中小企業が増える中で、私たちは、Webサイト及びソーシャルメディアによるリードジェネレーション(集客)と、MAマーケティングオートメーションによるリードナーチャリング(育成)を中心としたデジタルマーケティングサービスを提供してきました。
今後は、コンテンツやマッチングなどのWebサイト拡大による一層のユーザ増と、データ分析の強化による顧客セグメント抽出の精度向上を図りたいと考えています。その上で、広告配信に対する同意取得を含めた個人情報保護や、Webサイトへのサイバー攻撃に対する情報セキュリティといった、ガバナンス体制の整備やコンプライアンス活動の充実を進めます。
また、事業拡大に伴うサービス能力の向上のために、社内業務の標準化とクラウドソリューションの活用を加速させ、スリムでフレキシブルな経営スタイルを確立していきます。
ビジネスモデル
<Webサイト展開による集客>
当社では中小企業に対して、高額なコストがかかる宣伝広告に代わる集客手段としてデジタルマーケティングのプラットフォームを提供しています。現時点において(2022年)、「メディア&SNS」、「飲食業界活性化」、「不動産・建築」、「士業・経営」、「M&A・副業」、「人財」、「FC本部」の7つのカテゴリーを柱とした21のWebサイトを展開しており、今後は更にカテゴリーを増やし、5年以内を目処にサイト数を100以上に拡大する計画です。通常、マッチングサイト等で集客しようとすると、登録費や広告料金がかかりますが、当社のWebサイトは全て無料で利用することができるようになっています。
<Webマーケティング代行サービス>
Webサイト利用を全て無料とする代わりに、営業強化したいユーザに対してWebマーケティング代行サービスを有償提供しています。具体的には、①動画やクチコミサイトなどで話題性を拡散し、②関心を持ったユーザのセグメント抽出(見込客選定)、③レコメンデーションメールを送るリードジェネレーション(見込客獲得)、④ペルソナ(顧客や行動類型)に合った商談を進めるリードナーチャリング(見込客育成)といったマーケティングオートメーションのしくみをサービスとして実現しています。
2.戦略
2−1.企業経営及び情報処理技術の活用の具体的な方策
当社では、①SoE(顧客関係のシステム)による営業のイノベーション、②SoR(記録のシステム)による業務のイノベーション、③SoI(分析のシステム)による分析のイノベーションをDX戦略テーマとして取り組んでまいります。
①SoE(顧客関係のシステム)による営業のイノベーション
Webマーケティングによる集客力強化と、最新デジタル技術を利用した営業活動の生産性及び品質の向上を図っていきます。具体的には、
・コンテンツマーケティングによる集客
・マーケティングオートメーションによる営業の自動化
・最新情報技術を駆使した安全で使いやすいWebサイトのスピード開発
などを進めていきます。
②SoR(記録のシステム)による業務のイノベーション
業務の標準化を進めた上で、クラウドベースのパッケージソフトを活用することによって、「作らずに利用する」ことを徹底します。
また、組織の壁を越えた業務連携やデータ活用によって新たなビジネスの創造にと取り組んで行きます。AIについても、業務補助による人手不足の解消に向けて活用推進していきます。
③SoI(分析のシステム)による分析のイノベーション
社内に分散するデータを統合することによって、「ニーズ後追い」から「ニーズ創造」への行動変革をめざします。そのために、データ品質や鮮度を維持するためのデータマネジメントの強化を図っていきます。
2−2.組織づくり・⼈材・企業⽂化に関する⽅策
当社の事業展開においては、集客や営業に関する業務知識だけでは足りず、飲食業など顧客のビジネスモデル自体を理解した上での改善提案ができるビジネススキルが社員に求められます。デジタルスキルにおいても操作方法の習得にとどまらず、状況に応じた応用的な活用ができることが必要になります。
以上のことから当社では、業務とデジタル技術の両方に精通する社員の採用と人材育成を図っていきます。その一方で、システム開発やインフラ運用といった専門的なデジタル技術については、社外の専門家やベンダーの強力が不可欠となるため、優良な委託先の選定や、当社DX戦略の共有などパートナーシップ強化を図っていきます。
また、当社におけるDXを推進していくために、経営者自身がリーダーシップを発揮していくとともに、DX推進計画の策定及びその実行、管理を担う推進チームを編成し、長期的及び全社的な視点に立った取り組みを進めていきます。
2−3.最新の情報処理技術を活用するための環境整備の具体的方策
当社における最新の情報処理技術活用環境については、SoE、SoR、SoIの3つの領域に分けて整備方針を策定しています。
SoE(顧客関係のシステム)デジタルマーケティングのプラットフォームを強化する上で、Webサイトの拡大が不可欠であるとともに、ユーザからの信頼感を失くことが最大リスクであることから、「安全でかつ使いやすいWebサイトのスピード開発」を整備方針とします。そのためには、①ローコードツールの活用、②サイバーセキュリティの強化、③信頼できる開発委託先の選定の3つの方策を進めていきます。
SoR(記録のシステム)契約や請求、経理などの社内システムはクラウドパッケージソフトを活用しており、今後においても開発及び保守の負担が少なく、スピーディーな業務改善ができることを整備方針とします。
Excelなどを利用した営業事務も標準化して属人化を排除し、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)などのクラウドツールを活用して生産性を高めていきます。
個々のWebサイト上に分散するユーザ情報を統合データベース化し、顧客セグメント抽出や顧客行動のパターン判別など高度な統計解析やAI活用を検討していきます。そのためには、「データ品質や鮮度を維持するためのデータマネジメントの強化」を今後の整備方針とします。具体的な方策としては、①データ構造の最適化、②データクレンジングの実施、③BIツールを利用したデータ分析の取り組みを考えています。
<マーケティングオートメーションサービスの現状問題と将来課題>
<DX戦略の中核となるデータ活用(SoI)の方向性>
3.成果と重要な成果
当社DXの取り組み度合いを測定・評価するための重要な成果指標として以下のKPI(重要業績指標)を設定します。
1.DXによる競争力強化の到達度合い
①Webサイト開発スピード(DX開発力)
②Webサイトのページビュー数、ユニークユーザ数、問合せ等コンバージョン率(DX集客力)
③DX関連購買金額(DX対応度)
④マーケティングオートメーション実行スピード(DXパフォーマンス)
⑤Webサイト、マーケティングオートメーション更新回数(DX推進力)
2.DXの取組状況
①クラウドサービスの利用状況(DX対応度)
②Webマーケティング代行サービスの顧客数、売上金額(DX営業力)
③DX関連の投資額(D推進力)
④DX推進に貢献している従業員数(DX人材力)
⑤DX推進に関連する業務目標数、その達成度(DX推進力)
4.ガバナンスシステム
戦略の推進等を図るために必要な情報発信
DX推進の実務執行総括責任者として当社代表取締役が、経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」にもとづき、Webサイト上で「当社におけるDX戦略の推進について」として、タイムリーに情報発信及び更新していきます。
情報処理システムにおける課題の把握
IPA情報処理推進機構の「 DX推進指標自己診断フォーマット」及び「自己診断結果入力サイト」を利用して、定期的に当社DX推進状況について評価します。その際、評価漏れや不適切な評価が行われないように、技術士(情報工学)や情報処理安全確保支援士などの社外専門家によるシステム診断を受けて、適切な課題把握が行われるようにします。
サイバーセキュリティ
IPA情報処理推進機構の「SecurityAction二つ星」に取り組み、自社のリスク状況を把握したうえで、情報セキュリティ基本方針を定め、以下の対策を講じています。
①技術的対策:ウイルス対策ソフトの適切運用、定期的なログ点検に加えて、脆弱性テストの実施・WAF(Webアプリケーションファイヤーウォール)の導入などWebサイトに対するセキュリティ強化を図ります。
②人的対策:社員に対する機密保持や個人情報保護のルール遵守の徹底を図ります。
③組織的対策:情報セキュリティルールブックと緊急事態対応マニュアル(サイバーセキュリティ)を策定し、社員及び関係者に徹底します。
④物理的対策:入退室管理や施錠保管など、紛失や盗難や破壊、改ざんから機密文書やデータを保護します。
ストラク株式会社
代表取締役 渡辺 大河(Daiga Watanabe)